キムチの豆知識未分類

キムチの歴史:時代別進化の詳細

キムチの歴史をより具体的に、時代ごとの出来事や史料に基づいて詳しく説明します。以下に、主な時期ごとに具体例を挙げながらその進化をたどります。


古代:三国時代以前(紀元前~7世紀)

  • 起源: キムチの原型は、朝鮮半島で農耕が始まった紀元前数世紀に遡るとされます。野菜を塩で漬けて長期保存する技術がこの時期に誕生しました。当時は白菜ではなく、大根やカブなどの根菜が主に使われていたと考えられます。
  • 具体的な記録: 中国の歴史書『三国志』魏志東夷伝(3世紀頃)には、朝鮮半島の住民が「菜を漬けて食する」習慣があったと記されています。この「菜漬け」がキムチの原型とされています。
  • 特徴: 発酵食品としての技術は未熟で、塩漬けによる単純な保存が目的。辛味や香辛料はまだ使われていませんでした。

高麗時代(918年~1392年)

  • 発展: 仏教の影響で肉食が避けられ、野菜中心の食文化が発展。キムチは副菜として重要性を増しました。この時期にニンニクやネギ、生姜などの香辛料が加えられ、味に深みが出始めました。
  • 具体的な記録: 高麗時代の文献『高麗史』(1451年編纂)には、野菜の漬物が宮廷や庶民の食卓に登場した記述が散見されます。また、12世紀の中国の詩人・徐兢が著した『高麗図経』には、朝鮮人が発酵させた野菜を好んで食べるとの記述があります。
  • 地域性: 北方では寒冷な気候に対応し、塩分濃度を高めた保存性の強いキムチが作られました。

朝鮮時代初期(1392年~16世紀)

  • 多様化: 白菜が栽培されるようになり、キムチの素材として定着。発酵技術も進み、長期保存が可能な食品として確立されました。
  • 具体的な記録: 『東国文献備考』(1770年頃編纂)には、白菜や大根を使った漬物が「沈菜(チムチェ)」として記述されており、これが現代のキムチに近い形とされています。
  • 特徴: まだ唐辛子は登場しておらず、塩や発酵調味料(例えばエビの塩辛)が味のベースでした。

唐辛子の導入(16世紀末~17世紀)

  • 転換点: 1592~1598年の文禄・慶長の役で、日本を経由して唐辛子が朝鮮半島に伝わりました。唐辛子は当初薬用や観賞用でしたが、17世紀中頃からキムチの調味料として使われ始めました。
  • 具体的な記録: 1766年に書かれた『増補山林経済』には、唐辛子を使った「辛いキムチ」のレシピが記載されており、これが現代の赤いキムチの原型と考えられます。
  • 影響: 赤くて辛いキムチが誕生し、特に南部地域で人気を博しました。唐辛子の殺菌作用が発酵過程を助け、保存性も向上しました。

朝鮮時代後期(18世紀~19世紀)

  • キムジャンの成立: 秋に大量のキムチを仕込んで冬に備える「キムジャン」が習慣化。家族や近隣住民が協力して行う共同作業として定着しました。
  • 具体的な記録: 1809年の『閨閤叢書』には、白菜キムチの詳細な作り方が記録されており、唐辛子、ニンニク、魚醤を混ぜた現代的なレシピが登場します。
  • 地域ごとの特色: 南部では辛味の強いキムチ、北部では塩味が強く発酵度の低いキムチが作られました。例えば、全羅道ではアミの塩辛を使ったキムチが有名に。

近代(20世紀)

  • 工業化と普及: 日本統治時代(1910~1945年)を経て、キムチの商業生産が始まりました。戦後の経済成長とともに、家庭での手作りから市販品への移行が進みました。
  • 具体的な出来事: 1988年のソウルオリンピックでキムチが世界に紹介され、国際的な認知度が上がりました。1996年には日本との「キムチ貿易摩擦」が発生し、韓国がキムチの規格統一を求めるきっかけとなりました。
  • 健康ブーム: 乳酸菌やビタミンの効果が科学的に証明され、2000年代には「健康食品」として欧米でも人気に。

現代(21世紀)

  • 世界遺産登録: 2013年、ユネスコ無形文化遺産に「キムジャン」が登録され、キムチ文化が国際的に評価されました。
  • 具体的な記録: 2020年代には、キムチの輸出額が年間1億ドルを超え、中国や日本との「キムチ起源論争」も話題に。
  • 多様性: 伝統的な白菜キムチに加え、カクテキ(大根キムチ)、水キムチ、オイキムチ(キュウリキムチ)など数百種類が存在。

まとめ

キムチの歴史は、紀元前の塩漬け野菜から始まり、高麗時代に香辛料が加わり、唐辛子の導入で現在の形に近づきました。朝鮮時代には地域色豊かなレシピが生まれ、近代以降は世界に広がりました。

コメント

kimchinavi

毎日、おいしいキムチを探して実食調査したキムチをブログで発信しています。目標は、スーパーやネット通販、専門店などのキムチを世界一詳しく 実食調査してブログで発信することです。

また、キムチを選び方、食べ方、私のランキングなど、みんながキムチを楽しめるブログを目指します。

I LIKE KIMCHI

タイトルとURLをコピーしました